けやの森研修会報告 〜自然の教育力と実践〜

■林で遊ぼう

 今年で4回目を向かえました本園の研修会は、幸いお天気にも恵まれ、さわやかな秋風と木もれ陽の雑木林の中で行うことができました。フカフカした足裏の土の感触、9000坪の雑木林の中を、子どもたちが各々の思いで駆け回り、或いは集中して仕事をし遊ぶ風景は、何とものどかで楽しげな光景でした。
 林の中で園児たちは、かくれんぼ、おにごっこ、ままごと、落とし穴つくり、虫とり、ヘビとりなど豊かな遊びの世界を広げていました。同時に、自然塾の土曜学校の子どもたちは、家作り、リース作り、シーソー作りを行いました。出来上がったばかりのシーソーに園児が連なって乗って遊ぶ光景は、子どもたちの互いの関わりをふくらませる場となったのではないでしょうか。

■パネルディスカッション

 午後のパネルディスカッションでは、自然の中での教育を実践することの困難な現状が浮き彫りになりました。公立や認可園でも、豊かな人材や財力があっても尚、危険などの理由によって、実践できない現状があります。
 どうしたら、体験して学ばせる場を子どもたちに与えてあげることが出来るのでしょうか。どうしたら、川や林で楽しく遊び、危ないこともさせながらそれを安全に運営していけるのでしょうか。自然の遊びの実践を各々の現場で行っていくための大きな課題が浮かび上がってきました。
 野外教育活動の専門家のパネラーの先生から、そのためには、まず指導者自身が体験してみることが大切だという意見が出されました。指導者は、身近な自然の中で、どんな遊びや体験ができるかを、実際に感じることが必要です。その上で危険を予知し、安全対策を企て、子どもを自然の中へ連れ出すことを提案していくことが大切であることを確認し合えました。それは、けやの森の自然教育をこれからも実践していくことへの、おおきな励みになりました。更に、社会に開き、私たちの保育を問う機会をもてたことは、けやの森全体にとっても意味深い研修会となりました。

■川辺のワークショップ

 今年の参加者の皆様からの貴重なご意見を受けて、来年度の研修会は、地元の川に出かけて行き、川を教材とした指導者のワークショップを行いたいと考えております。
 これからも益々、勉強し、実践を積み上げて、皆様と交流を深めていくことができましたら、幸いです。
 野外教育、自然教育に興味、関心のある方、又、次回の研修会にむけて希望や提案のある方は、けやの森まで御連絡下さい。各々の現場や立場から、一緒に新しい方法を考えあっていきたいと思っております。


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